空気圧縮機は毎日、長時間稼働します

空気圧縮機は年間で4000時間以上も稼働するのが一般的です。これを車に例えると、年間16万キロも走行するほどの負荷に相当します。
長時間の稼働は電気代にも大きく影響し、工場全体の消費電力のうち2〜3割を空気圧縮機が占めることがよくあります。
定期的に空気圧縮機のメンテナンスを行うことで、安全に経済的にお使いいただくことができます。

空気圧縮機の代表的な点検項目

全般

  • エアフィルタ(吸込みフィルタ)の清掃、定期整備
  • オイルフィルタの定期点検
  • オイルセパレータエレメントの定期整備
  • 潤滑油の補給・点検・交換
  • 配管の定期点検・交換
  • 騒音・振動の確認
  • ボルト・ナットの緩みの確認
  • 摺動部の摩耗の確認
  • クーラ・ファンの清掃
  • 各部品の清掃(粉塵の除去)

モーターおよび電気部品

  • 騒音ベルトの張力確認・調整・交換
  • 配線の緩み確認
  • モータの点検(グリースの補給、絶縁抵抗など)
  • アース(接地)の確認
  • 操作スイッチの作動確認(温度スイッチ、圧力スイッチなど)
  • マグネットスイッチの接点の確認

空気タンク

  • ドレン(水分・油分)の排出
  • 外観点検
  • 内部(サビ・汚れ)の点検・清掃
  • 圧力計の定期点検
  • 安全弁の定期点検

こんな時は要注意。 メーカにメンテナンスを依頼しましょう

  • 異常な音や振動が発生した
  •  圧力が正常に上がらない、または急激に低下する
  • 異臭や異常な熱が発生した
  • 作動ランプや警告灯が点灯している
  • 定期点検の推奨時期を過ぎている
  • 空気漏れや油漏れが確認された
  • 電流値がいつもより高い
  • 電源のスイッチが入らない
  • 動作速度が遅くなった、または不安定になった
  • 異物が吸引された可能性がある
  • 過去の修理箇所に再発の兆候が見られる

メンテナンスを怠ると、大きな事故につながる恐れがあります

潤滑油のトラブル

潤滑油のトラブル

フィルタが目詰まりしています。
写真の状態では 4%程度空気量が減少します。

空気タンクのトラブル

タンクのメンテナンスを怠ると、サビによる減肉、ピンホールなどによりエア漏れ、破損、破裂等の重大事故の危険があります。

動力系のトラブル

ベルトが切れかけています。交換が必要な状態です。

電気系のトラブル

接点の荒れおよび破損が発生し、溶着、発火の可能性があります。

空気圧縮機は、法律によって適切な管理が義務付けられています

  • ボイラー及び圧力容器安全規則(第二種圧力容器)
    対象となる圧力容器
    最高使用圧力 0.2MPa 以上で内容量 40L 以上の容器。
    最高使用圧力 0.2MPa 以上で胴内径 200mm 以上、かつ胴長 1000mm 以上の容器。
    具体的には、圧力容器を改造せず、年 1 回以上の定期検査を行い、もし事故を起こした場合は所轄の労働基準監督署に報告する必要があります。
  • 騒音規制法・振動規制法
    法律では 7.5kW 以上の空気圧縮機が対象となっていますが、都道府県により規制の内容が異なりますのでご注意ください。具体的には、工場または事業場の敷地境界線上での騒音・振動をその地域の規制値以下に抑制する必要があります。
  • フロン排出抑制法
    冷凍式ドライヤ及び冷凍式ドライヤ搭載機はこの法律で第一種特定製品として指定されています。
    使用時は 3 か月に 1 度の簡易点検等が必要です。廃棄時は各自治体から認可を受けた業者にフロン類の回収を依頼する必要があります。
  • 高圧ガス保安法
    すべての高圧ガス製造者には、「施設を技術上の基準に適合するように維持する」ように義務づけられています〔第一種製造者 : 高圧ガス保安法十一条、第二種製造者 : 高圧ガス保安法十二条〕。

    詳細は空気圧縮機メーカにご確認ください

空気圧縮機の安全、省エネ向上のために定期点検をお願いいたします

  • 空気圧縮機をご使用の際は取扱説明書をよく読み、適切な条件でご使用ください。改造等は絶対にしないでください。
  • 各種点検は取扱説明書の内容に沿って行うようにしてください。
  • メンテナンスはご購入先あるいは空気圧縮機メーカ指定のサービス工場にご依頼ください。
  • 部品を交換する際は、安全のため必ずメーカ純正品をご使用ください。